返済能力を超えてしまった借金から逃れるための救済措置として、債務整理という制度があります。 収入の安定していない学生でもそのような制度が利用できるのでしょうか?

学生でも債務整理は可能

学生であっても借金返済に苦しんでいるのであれば、債務整理することが可能です。 債務整理は債務者本人がすることもできますが、司法書士事務所や弁護士事務所が代行することもできます。 債務整理に関しての相談料は無料のところが多いので、まずはプロに相談してみるのがいいでしょう。

債務整理の種類

債務整理といっても、種類があります。 まずはそれらの特徴を簡単に掴んでおき、自分にはどの借金の整理方法がいいのかを考えましょう。

・任意整理
裁判所を通さず債権者(消費者金融など)と直接交渉し、金利引き下げや返済方法を決めていく方法です。 弁護士を通さなくても自分で行うことは可能ですが、素人が消費者金融相手に交渉するのは難しいものがあります。

・特定調停
任意整理とは違い、債務者と債権者の間に簡易裁判所が入ります。

・民事再生
3年程度で返済することを約束することを条件とすることで、債務の元本を大幅に減らすことができる制度です。 最大で8割程度カットしてもらうことができます。 学生やアルバイトでも定額収入があれば申し立てることができます。

・自己破産
自己破産は借金が返せなくなった人のための救済措置で、裁判所で全ての債務の支払いを免除してもらうものです。 定収入がなく借金を返す当てがないという人は、自己破産するしかなくなります。 債務の支払い義務は無くなりますが、高価な財産は処分してお金に換え、債権者への配当に回さなくていけません。

いいことばかりではない

お金

困った時には確かに助かる債務整理ですが、「払えなくなったら手続きすればいい」という安易な気持ちで利用するものではありません。 一度債務整理をしてしまえば信用情報機関に登録され、信用情報機関の情報により5年から7年間はローンも組めずクレジットカードも作れなくなってしまいます。 これから社会人になるなかで高額な品物を購入する機会も増えてくるでしょうが、すべて一括払いで買わないといけなくなります。

それに債務整理をするのも手数料が色々と掛かりますので、その費用を工面するために知り合いや家族に頼らざるを得ないでしょう。 誰にも知られたくないという気持ちも分かりますが、まず親や家族に相談して、可能であれば借金解決のための援助をしてもらう方がよいでしょう。